【第2回】池内ひろ美さんインタビュー

夫婦・家族問題のコンサルタントとして日々、執筆活動や講演会、個人様の相談、テレビ等メディアのお仕事など、様々な場面で活躍されており、さらにGirl Power代表理事を務められる池内ひろ美さん。そんな彼女のGirl Powerとは何か、その輝く笑顔とパワーの秘密とは何かを、私自身Girl PowerYouthにいる身として伺いたいという思いがあり、インタビュー企画第二弾としてお話をお伺いしました。

(インタビュアー:羽二生知美 Girl Power Youth)


[羽二生知美(以下、羽二生)]夫婦・家族問題のスペシャリストとして、メディア、著書、コンサルティングなど様々な面から人の人生、生き方と向き合ってこられ、またGirlPower代表理事も務められているひろ美さんですが、ご自身の人生ではどのような決断や選択をされたのか、とても気になります。ひろ美さんにとって人生を決めた3つのターニングポイントとはいったい何でしたか?

[池内ひろ美(以下、池内)]大きなターニングポイントは出産でした。次に本の執筆、そしてGirl Powerを立ち上げたことの3つです。

― 娘の存在が、守る強さを与えてくれた

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[羽二生]では、まず出産についてお聞かせください。

[池内] 当時(1980年代)は、周りがみんな結婚・出産をしていたので、周りと同じようにという感覚で24歳の時に結婚しました。女性が「クリスマスケーキ(25歳を超えると売れ残り)」と呼ばれた時代でもあります。出産は27歳の時でした。
妊娠・出産を経験して私の中にあった「子供」への価値観が変わりました。わが子は愛おしく守りたい存在です。もしも、女性だけでなく男性も出産できるようになれば戦争はなくなり世界は平和になるのではないかしらと思ったほどです。
出産を経験して、自分で考える、自分で決めることを学びました。私は子供の頃、末っ子だったこともあり依頼心が強い子でしたし、私の母は何でもできる人でしたし細やかな気づかいをしてくれていたので、私が自ら発言をすることはほとんどありませんでした。母の問いかけに対してうなづくか首を横に振るかだけで日常がすごせていたほどです。
ところが、出産はどんなにつらくても、他人が途中から変わってくれるわけではないですから、一人でなにがあってもやり遂げるということを教えてくれました。よく子供を産んだ女性は強い、と言われますが、子供を産むには強くならざるをえないですね。この強さは、守る強さです。人生において、自分ではない他者を出産という場面で命をかけて守るという強さは最大無比です。

[羽二生] 池内さんのご家族は、とても仲の良い素敵なご家族だと思うのですが、その秘訣はなんでしょうか?

[池内] ありがとうございます。家族を褒めていただけるのは嬉しいことです。私たちは「ステップファミリー(再婚世帯)」でもありますので、父親、母親、子供がそれぞれ役割を実行する自覚が一般のご家族より大きいかもしれません。家族内だけでなく、社会的な役割を増やしていくことは、人が成長し成熟につながることです。だから私は多くの方に結婚をして、子供を持ってほしいとお伝えしています。男性は社会的役割やポジションに重きを置く方が多いようですが、女性の場合は、社会だけでなく家庭内でも、娘・妻・嫁・母など、たくさんの役割を得ることができます。

[羽二生] 海外の高校大学を卒業し、今も海外で活躍されているとても優秀な娘さんがいらっしゃいますが、どんなことを言って育ててこられたんですか?

[池内] 子供は親の願いを叶えてくれます。私は自分が幼い頃身体も弱く頑張れない子だったため、頑張りのきく子に育ってほしいと思い、「あなたは頑張り屋さんの賢い子だね」と幼い頃から繰り返し伝えてきました。「賢い子」とは、学校の成績ではなく、自分で考えたり工夫できる人と思います。私はそういう子供に育ってほしいと願ってきました。学校を転校したときは「お友達が増えて楽しいね」と伝えました。逆に、「転校してイジメに合って非行に走るのではないか」と、もしも想像したとしたら、子供はその願いを叶えたかもしれないと思います。親が想像する以上に子供は親の気持ちを察しますし、親の言葉を憶えています。

―生きるため、生きる意味としての執筆活動

 

[羽二生] 次の人生のターニングポイントである本の執筆についてお聞かせください。

[池内] 本は、生きるために書きました。今の時代は母子家庭への就職差別は減りましたが、私が娘を育てていた時期は、「5歳のお子さんがいてお父さんがいないなら、子供が熱を出したとき欠勤するでしょう?」と面接で問われていた時代でしたし、結婚後8年間ずっと専業主婦でしたし、資格も学歴もありません。でも娘を育てていかなけばならなかったため、まず文章を書いてみよう、自分の離婚体験を書こうと『リストラ離婚』を著しました。昔なにかで読んだ一節ですが、人は誰でも一冊は自分の人生という物語を書くことができるという言葉を思い出して書きはじめたんですね。そういえば、私が小学生のとき教頭先生が私の作文を読んで、本を書く人になったらいいねと言ってくださったこともあります。先生が児童生徒におっしゃる言葉って本当に大切ですね。

[羽二生] 一人つらい時に、本の執筆に向かうことができたところが、池内さんの強さの一つのように感じるのですが、そのエネルギーの源は何でしたか?

[池内] 娘がいてくれたことです。当時、両親は、私が自ら申し出て離婚したことを理解してくれませんでしたし、実家へ帰ることも許されませんでした。両親から、30歳を超えているのだから甘えるなと突き放してもらえたからこそ頑張ることができたと思いますし、今となっては実家にも感謝しています。また、離婚直後に起こった阪神淡路大震災は、私にとっても、とても大きな出来事でした。タンスが倒れてきて頭を6針縫う怪我をしましたがそこで生き残ったことの意味を考えた被災経験でもありました。震災で亡くなった友人もありましたし、生き残った私たちは彼らのぶんまで生きなければなりませんよね。

[羽二生] 池内さんの本の言葉には説得力や重みがあると感じるのですが、それはこういった執筆への思いからなのでしょうか?

[池内] ありがとうございます。もし私の言葉に説得力や重みを感じてくださっているのなら、それは今までご相談を受けてきたたくさんのクライアント男性、女性から学ばせていただいたおかげです。物事の受け止め方、悩み方、物事の決定の仕方もクライアント様の相談を受けながら私も一緒に学んできました。

―「女性にはいつもキラキラしていてほしい」満を持してのGirl Power

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[羽二生] 現在代表理事をされているGirlPowerを立ち上げたことも、ターニングポイントの一つに挙げていましたが、GirlPowerはずばり、池内さんの人生においてどんなものですか?

[池内] 私にとって、GirlPowerは使命だと思っています。私は今まで、夫婦や家族問題のコンサルタントとして、3万5000人を超えるクライアント一人一人の役に立つように一生懸命にやってきました。振り返るとすごい数だと思っていますが、そのなかで気付いたのが、恋人間、夫婦間、社会間、様々な関係で、女性が変わることによって、劇的に状況が変化するということです。お一人お一人の意識を変えるきっかけとなるコンサルタントの仕事は続けますが、もっと広く女性が意識を変えていけるような活動をしたくて、Girl Powerの立ち上げを決めました。政治も手段の一つではありましたが、システムを変えるより、一人一人の意識を変えることが、コンサルタントをしてきた私には使命を感じるものです。そしてきっと日本が変われば、世界中に広がると思っています。

GirlPowerに集まられる女性たちはみんなキラキラしていますよね。笑顔がきれいなんです。顔立ちがきれいなことと笑顔がきれいなのは違います。基本的に顔は目が2つで口が1つで鼻が1つあり、骨格の上に筋肉と筋、皮膚があります。顔立ちが整っているかどうかよりも、これらの部分をきちんと使っていることが大切です。美人でも無愛想な表情ではもったいない。顔立ちや年齢に関係なく、笑顔がキラキラしている女性が美しいと思います。Girl Powerには10代から60代女子までいらっしゃいます。

でも、みんないつも笑ってばかりいられるわけではなくて、それぞれの年代毎にさまざまな悩みや苦しみを抱えています。だからこそ、「笑顔」が美しいのです。自信がなかったり不安であったり、それは当たり前な事です。どんなに社会的に成功している人でも、自信がゆらぐときもあります。でも、彼女たちは、自分の不確かさをも受け止め外には出さない、相手を不安にさせない、しなやかな強さを持っていらっしゃいます。

―覚悟をもって自分で選ぶ。これがGirl Power

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[羽二生] GirlPowerは女子力がキーワードですが、池内さんにとって、「女子力」また、「女性の強さとはなんでしょうか?

[池内]「女子力」は自分で意思決定できる力です。自分で決めることのできる女性を、GirlPowerは増やしていきたいと思います。「女性の強さ」は覚悟、それから矜持です。プライドや見栄よりも、覚悟を持って気高くいることが彼女たちの強さだと感じます。さまざま考えたうえで自分の意思で決めて選ぶ。その覚悟を持つことができれば、後悔しない生き方ができますよね。

―日本の女子力が世界を変える

[羽二生] 最後に、みなさんにメッセージをお願いします!

[池内] 女性のみなさん、考えているだけでは何も変わりません。とにかく一歩前に踏み出してみてください。踏み出した後に考えてもいいんです。恋愛も結婚も同じ、とりあえず行ってみてから考えてもいいんです。その勇気を持つのも強さの一つです。

男性のみなさまには、ぜひ女子力を使っていただきたいと思います。男性の中にも母性的なものや女子力がすでに備わっています。持っていることに気付いて表に出していただきたいです。男性から女性に対しては、邪魔をしないで(笑)チャンスをください。社会でも家庭でも、女性にたくさんのチャンスを与えていただきたいとお願いします。


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編集後記

池内さんに初めてお会いしたとき、その輝く笑顔とまっすぐな瞳に心を掴まれ、とても幸せな気分になりました。この素敵なパワーのヒントを、いくつもインタビューの中で教えていただきました。

考えるだけでなく一歩行動に踏み出す強さ、誰かのために行動できる強さ、自分の弱みさえも認める強さ、そして池内さんにとってガールパワーとおっしゃっていた、自分で選択し、それに覚悟を持って生きていく強さ。

今回伺った3つの転機は大きなものばかりですが、池内さん自身その選択、行動にしっかり覚悟をお持ちで、だからこそ輝いていらっしゃるのだと感じました。

女子力は男女関係なく誰もが持っているものですが、私達ユース女子世代が率先して女子力をあげて、覚悟のある生き方をしていくことに、そしてキラキラの笑顔でいることに大きな意味があると思います。

ガールパワーが社会を変える、幸せにすることができると、心から思えた時間でした。ありがとうございました。

(羽二生知美 東京外国語大学4年生 Girl Power Youth)